【社長インタビュー】アースカルチャー誕生

1969年にボブソンブランドが誕生し、創業からのジーンズ技術を駆使して作られたBOBSONの本格派ライン【アースカルチャー】。

そして、リバイバルであるB-1969-XX-J【岡山産セルビッチデニム】ジーンズ。

先代のアースカルチャーを紐解くことで、最新作のB-1969-XX-J【岡山産セルビッチデニム】ジーンズをより深く知っていただくため、株式会社ボブソンピーチフォート尾崎博志社長にお話をうかがいました。

Q①アースカルチャー誕生のきっかけを教えて下さい。




アースカルチャーは1993年に生まれました。その当時のBOBSONは、会社全体が「高品質と生産性を上げること」を最大の目標としていたんです。そんな流れの中で30〜40代の若手の方から、ジーンズの原点的なものを生み出したいという声が出ました。


高品質つまり均一な完成度で大量生産の物ではなく、生産性の悪いローテクのジーンズを作りたいと。


ローテクによりその不均一さを求める場合、作業行程数や設備を含めて原点回帰する必要があり、経営面からすれば本当に採算性の悪い商品だったと思います。


ボブソンの社風として、創業当時から新しいことにチャレンジすることは、大事なことと考えていました。


失敗しても採算性を度返ししても、若手たちチームにチャレンジさせるのもありだと判断したようです。結果はどうあれ、それは会社の見えない資産として残ることになるはずと考えていたからです。


今でこそSDGsが一般化していますが、当時から人類の将来への暗いものを感じていたチームメンバーは、商品コンセプトをアースカルチャー「地球文化」としたのでした。


アースカチャー「地球文化」の中心コンセプトとし、それまでの会社のやり方でなく、独自の工夫をしました。その一つがこのカタログです。


当時BOBSONには、専門の広告代理店があり、広告宣伝販促に関するアイテムは、すべてその会社を通していたのですが、敢えてすべて独自でカタログを作りました。


常に流行ジーンズを販売していた中で、今のままのBOBSONにはない、アースカルチャーのコンセプトを打ち出すため泥臭いイメージのものをつくりました。


商品紹介というより、「何かを感じてほしい」というコンセプトで作られたものでした。

Q②アースカルチャーの名前の由来を教えて下さい。




1990年代当時の日本は、バブル崩壊により社会不安が広がっていました。それまでの消費文化一辺倒な社会風潮により環境破壊を引き起こされ、社会全体が行き詰まりを感じ、ひいては一部の先進国中心から、地球全体を俯瞰する考えが模索されるようになっていました。


それまでの会社方向へのアンチテーゼとなりますが、それが、「アースカルチャー(地球文化)」の名前の由来となっています。


話は少しそれるのですが、当時香川県にある別の企業が「地球文化」という名前の商品を取り扱っておられて、「アースカルチャーの名前をボブソン社で使わせてほしい」と総務の責任者をしていた私自身がお願いに行き、チームの思いを伝え、了解いただいたこともありました。


Q③なぜ今のタイミングでアースカルチャーをリバイバルするのでしょうか?




「今のBOBSON」は、原点回帰をすすめています。大量生産型のBOBSONからもう一度「ものづくり」を見直す中、アースカルチャーのような存在の重要性、必要性を感じています。




仮想空間内でビジネスが完結していく世界になるほど、「自分たちによるものづくりの重要性」を強く感じるようになってきました。

ネット情報により、どこでも、なんでも、同じようなものが簡単に作れるようになっていますが、その中でも「長くジーンズを作ってきたBOBSONのものづくり」をしたいという思いを強く感じています。

アースカルチャーのような過去にこんな良いものがあって、会社の理念とも合致している商品は少ないと再認識しています。


BOBSONの会社理念では、「協業」をもって「常に創造者であり、先駆者である」ということや、「自主独立である」ことが掲げられています。


我々がそうあるためには、自社で作るというクラフトマンシップこそが先駆者の証拠だと考えます。自分たちが持っている過去の資産「アースカルチャー」こそが常に業界の先駆者としてやってきた証拠でもあります。


加えて、「アースカルチャー」は、若手チームメンバーのアドバイス役として、イタリア人のデザイナーであるアドリアーノ・ゴールド・シュミットが加わっています。


世界的にも有名な「リプレイ」や「ゴールディ」といった数多くのブランドを手掛けた方です。


彼は「人間が自然の一部であるように、ジーンズもそうありたい」という考えも持って全面的にバックアップしてくれました。


そういった点で、アースカルチャーはボブソンの中でも、特異な体制の中で生まれたといえます。私は、アースカルチャーは、今後に創り出す商品コンセプトのアンカーとして、会社全体を導ちびくような方向性の商品でもあると考えています。


そういった意味でリバイバルであるB-1969-XX-J【岡山産セルビッチデニム】ジーンズが誕生しました。

Q④B-1969-XX-J【岡山産セルビッチデニム】ジーンズは、どんな方に、どんな風に履いてほしいですか?



ジーンズをこよなく愛するかた向けに作っていますので、ジーンズ好きなかたにはもちろん過去に「アースカルチャー」を知っていた方や、履いていた方に、もう一度履いてほしいですね。


リバイバルといっても、まるっきり過去のアースカルチャーと同じではなく、多くの点で変わっています。昔と比較して、「変わっている部分」や「加わったエッセンス」を感じてほしいと思っています。


ご興味がある方にはぜひトライアルしてほしい逸品です。このように、「今も昔も知っていただく」という楽しみ方は、長く続く会社の商品でしかできないことですから。